校長室より
校長室花暦⑮
華道部さんから素敵な作品が届きました。
(今回の花材)
スイートピー(写真「ピンクの花:」
鮮やかな色彩と、蝶が羽ばたいているかのようなユニークな花形、その名の通り「甘い(Sweet)」香りで、春の訪れを告げるシンボルとして人気のある花です。イギリス国王エドワード7世の王妃アレクサンドラは、スイートピーをこよなく愛し、晩餐会や宮殿の至る所にスイートピーを飾らせたため、スイートピーは「エドワード朝を象徴する花」として、イギリスから世界中へとその人気が爆発的に広まりました 。日本には江戸時代末期から明治時代にかけて渡来し、明治時代以降、その香りと美しさから急速に普及し、現代では流行歌の影響もあり、春を代表する花として定着しました。
菜の花(写真「黄色の花」)
春に色鮮やかな黄色の花を咲かせる、アブラナの花のことで、まだ肌寒い2月頃から5月にかけて咲く「春の訪れ」を感じさせる花です。細長いさやがついており、中には黒い小さな種子が入っています。この種子を圧搾することでできるのが菜種油です。また、花菜はおひたしとして食用とされています。菜の花の咲く頃に降る雨を「菜種梅雨(なたねづゆ)」といいます。俳諧では春の風物として愛され、江戸時代の俳人 与謝蕪村は「菜の花や月は東に日は西に」と詠んだことは有名です。
桜(写真「枝」)
桜といえば、日本を象徴する花として誰もが知る花です。旧暦を使用していた時代には、新しい1年の始まりは春とともに訪れていため、当初のお花見は桜よりも早い時期に開花する梅の花を愛でていましたが、中国から桜が伝わってきたことにより、平安時代以降次第に桜を見る風習へと変わっていったとされています。はじめて桜の花見をしたのも、平安時代の天皇である嵯峨天皇であったといわれ、天皇主催の花見が毎年開催されるようになったきっかけともいわれています。桜が日本中で愛されるようになったのかについては諸説ありますが、ほんの短い期間だけに咲き誇り、風と共に薄い花びらはさらさらと散っていくため、古来の人々が、桜によって死生観に思いを馳せたり「神聖なもの、神を思わせるもの」として、桜を崇拝の対象にしたりしていたからと考えられています。
今回の作品が届いたのが2月3日の「節分」の日。翌日の2月4日は「立春」で、暦の上では春の始まりです。校長室にも春の到来です。
校長室花暦⑭
華道部さんから素敵な作品が届きました。
(今回の花材)
ストック(写真「紫の花」)
ストックには、「茎」という意味があります。ストックの茎は太くしっかりとしていて存在感があるため、そのままストックと名付けられたといわれています。秋以降からたくさんの花が咲きます。冬に映えるパステルカラーのピンク、赤、紫、黄色など花色も多く、花の少ない冬から春にかけて花が咲くので、冬の寄せ植えなどにも重宝されます。春になると、甘い香りが漂ってきて、香りも楽しむことができます。
モンステラ(写真「緑の葉」)
モンステラは室内に飾る観葉植物としてとても人気があります。南国の雰囲気があり、アロハシャツにもよく描かれています。
スギ(写真「緑の枝」)
スギという名前の由来は諸説ありますが、幹が真っ直ぐに伸びることから「直木(スクキ)」と呼ばれ、これがスギに変わったという説や、同様に上へ伸び進むことから「進木(ススギ)」と呼ばれ、これが転じてスギになったという説があります。
カーネーション(写真「オレンジの花」)
カーネーションは何と言っても「母の日」の象徴。毎年5月の第二日曜日が母の日です。この日には世界中でお母さんにカーネーションを送る風習があります。アメリカの母の日の起源は、戦場の負傷兵の衛生改善活動を行ったアン・ジャービスの娘、アンナ・ジャービスが、1907年5月12日、亡き母をしのんで母が教師をしていた教会に、母が好きだった白いカーネーションを祭壇に飾りました。これに感動した人々が、その翌年の1908年5月10日、同じ教会で、470人の生徒と母親達が「母の日」として祝いました。アンナはこのときの参加者全員に同じく白いカーネーションを手渡しました。これにより、白いカーネーションが母の日のシンボルとなり、1914年にアメリカが5月の第2日曜日を「母の日」として記念日に定めました。今では赤いカーネーションが定番ですが、始まりは白いカーネーションでした。
めっきり寒くなった今日この頃、校長室に華やかさを運んでくれる作品です。
校長室花暦⑬(書を添えて)
華道部さんと本校で書道を担当されている岡田先生から作品が届きました。
(今回の花材)
キンギョソウ(写真「ピンクの花」)
以前の花暦で触れました。振り返っていただければ幸いです。
ハボタン(葉牡丹 写真「緑の葉」)
葉牡丹は、厳密には花ではなく、キャベツやケールの仲間であるアブラナ科の植物です。観賞用に改良されたもので、葉が牡丹のように見えることから「ハボタン」と呼ばれています。冬でも鮮やかな色を保ち、色合いから縁起が良いとされ、古くから日本の正月飾りとして親しまれています。紅白色の葉牡丹はまるで晴れやかな姿で新年の訪れを祝福するかのようです。色彩が少ない季節に明るい葉の色で元気を与えてくれる貴重な植物です。さまざまな品種があり、色も豊富です。
アカメヤナギ(写真「白銀綿をつけた枝」)
出回り初めの9月頃は枝も細く緑色で芽も小さい状態ですが、秋が深まると徐々に赤く色づいてきます。翌1月から2月頃には赤い皮が破れるとフワフワとしたかわいらしい銀色の綿毛があらわれます。こうなると、「ギンメヤナギ」とも呼ばれます。アカメヤナギは生け花やアレンジメントによく使われます。また、色合いがお正月らしく、しめ縄やお正月リースなどに使われることもあります。和の雰囲気が出る花材です。
(書道岡田先生について)
平成元年から現在に至るまで八潮南高校で書道を教えていただいています。筆を持たれて71年目、高校の教壇に立たれてから55年目、これまで本校を含め18校で講師を勤めていらっしゃいます。最初の教え子は昭和47年3月の卒業で73歳になるそうです。先生からは、新年と新年度の初めに書をいただいております。校長室には先生の素晴らしい作品が数多く飾られています。
年の初めを彩る素晴らしい「お花と書」の作品。校長室は新春の清々しい空気に包まれています。
校長室花暦⑫
今週も華道部さんから素敵な作品が届きました。
(今回の花材)
コギク(写真「黄色の花」)
(以前の花暦で触れましたが再掲します。)菊というとお墓参りの花のイメージがありますが、菊が仏花になるのには理由があります。現在はあまり一般的ではなくなりましたが、9月9日は重陽(ちょうよう)の節句です。重陽、つまり陰陽の「陽」である奇数が最大限に重なった日が9月9日ですが、陰陽思想では陰と陽のどちらに強く片寄ることはよくないと考えられたため、気を付けるべき日とされ、邪気祓いの祭りが行われました。その際に、強い香りが邪気を祓うと考えられた菊の花が供えられました。
アイリス(写真「紫色の花」)
(以前の花暦で触れましたが再掲します。)アヤメ科の植物です。日本のアヤメやカキツバタ、ハナショウブなどもこの仲間です。アイリスの名前の由来は、ギリシャ神話だそうです。全能の神ゼウスの妻であるヘラの従女、イリスという美しい女性にちなんでいます。浮気癖のあるゼウスはイリスに何度も言い寄りましたが、イリスは誘いを断り続けます。後に、イリスは「自分をゼウスから引き離して欲しい」とヘラに伝えました。正直で美しい心を持ったイリスを賞賛したヘラは、イリスに神酒を3滴ふりかけます。そのとき落ちた雫が、色鮮やかなアイリスの花になったと伝えられています。イリスは虹の女神ですが、これは花弁のつけ根にある模様にちなんでいるといわれています。以前の花暦では花が開いた写真が載っています。この後の開花が楽しみです。
ウンリュウヤナギ(雲竜柳 写真「茶色の枝」)
ウンリュウヤナギという名前は、枝が曲がりくねっている様子が、竜が雲の中を昇っていくように見えることからついたそうです。公園や庭園、寺院に植えられていることが多い樹木です。高さは10メートルほどになります。開花は3月ごろ、小さな黄色い花を咲かせます。葉は先がとがっていて、裏側が白色です。晩秋から2月下旬にかけては枝が薄茶色になり、樹皮が硬くなります。この時期の枝は日もちがよく、アレンジメントやディスプレイなどに使っても長持ちします。お正月飾りとしても使用される枝ものです。枝を金色や銀色、赤色に塗ったものが出回ります。
今回の作品は、美しさと力強さを兼ね備えた、モノトーンで寒い冬を忘れさせてくれる作品です。
校長室花暦⑪
今週も華道部さんから素敵な作品が届きました。
(今回の花材)
コギク(写真「黄色の花」)
以前の花暦で触れました。読み返していただけると嬉しいです。
キンギョソウ(写真「ピンク・白の花」)
キンギョソウは地中海沿岸地方原産で、花穂を大きく伸ばし金魚に似た色鮮やかな花を咲かせることからキンギョソウという名前がつきました。また、ドラゴンの口にも見えることから別名ではスナップドラゴンとも呼ばれます。花色は、白、黄、桃、赤、紅紫、橙、複色など豊富にあり、カラーリーフとしても楽しまれています。埼玉県も産地として有名です。
ベニバスモモ(写真「赤紫の葉枝」)
ベニバスモモの由来は紅色の葉をもつスモモ属の植物からです。早春から春にかけて開花する美しい花を鑑賞する目的だったり、開花の途中から現れる赤紫色の美しい葉をカラーリーフとして楽しむ目的だったり、食用になる果実を収穫して食べる目的で育てられたりする植物です。薄桃色の花が一斉に開花すると「桜」を思わせる美しい景観をつくります。
コギクとキンギョソウの可憐な花色とベニバスモモの落ち着いた中にも華やかさのある葉色の取り合わせが、初冬の校長室に彩りを添えています。