生徒が読んでいる本を司書も読んでみた!

やしなん生のリアル読書事情!(^^)!

読まずに返却される本No.1「最後のトリック」

『最後のトリック』深水黎一郎・河出書房新社

高校生ビブリオバトル全国大会の優勝本!

やしなん図書館で予約待ちになるほど人気なのに、だいたい読まずに返却される本があります。

それが深水黎一郎「最後のトリック」!

なぜ予約が殺到するかというと、、

授業でビブリオバトルを行う前に、ビブリオバトル全国大会の映像を観るのですが、そこで紹介されているのがこの本だからです。

読み終わったら、読者が殺人犯になってしまう!殺人犯の気分を味わえる本!

そんな風に紹介されていて読んでみたくなる生徒多数。しかし読んでみるとなかなか初心者向けとは言えない文字ぎっしり小説で早々に挫折。

「結局読めなかった〜」と言って返してくる生徒よ、いつか読んでみたい本ができたっていうだけで儲けものです!いつか読者が犯人になるこの本のとんでもない仕掛けを読破する日が来ますようにキラキラ

 

やしなん生に人気の作家・湊かなえ「告白」

 「告白」湊かなえ・双葉社

5人の「告白」で明らかになる「後味悪めの」ミステリー!

読んだ後、イヤーな感じがするミステリー、略して「イヤミス」の代表作!

やしなん生に絶大な人気を誇る、湊かなえさんの『告白』(双葉社)を紹介します。(湊かなえさんの本は図書館でよく借りられますが、やはり「告白」が一番人気!)

この本は著者のデビュー作であり、過去の本屋大賞1位にも選ばれました。(松たか子さん主演で映画にもなっていますね)

 

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。」

という担任教師の衝撃的な告白に始まり、、。

 

担任教師の子どもが死んでしまうのですね。

中学校のプールで。

 

それが生徒のしわざとはどういうことでしょう…?

5人の「告白」によって、殺人にいたる異様な心理がどんどん明らかになっていきます。

 

トリックというよりは、人間の心の闇を解き明かすミステリー。

後味悪めなのでご注意ください衝撃・ガーン

 

貸出回数歴代No.1「君の膵臓をたべたい」

『君の膵臓をたべたい』住野よる/双葉社

やしなん図書館で歴代1位の貸出回数を記録している小説です王冠キラキラ

衝撃的なタイトルですが、このタイトルの意味は最初から5ページくらいのところにあっさり出てきます。

なーんだ、そういうことか、と思うのですが…

物語が進むにつれて、この言葉の意味がどんどん変わっていくのが面白いです。

この本を泣かずに読める人はいないでしょう泣く

話の中に高校の図書室がよく出てくるのですが、主人公の男子生徒がほんとに図書室にいそうな子で、司書は「これはまるであの子みたいだ!」と思って読みました。(この本が発売された2015年の話です)

映画化もされているのですが、そちらも完成度が高い!若ーい浜辺美波さんと小栗旬さんが出ています。本と映画、ぜひ好きな方からチャレンジしてみてください興奮・ヤッター!

「火のないところに煙は」

「火のないところに煙は」芦沢央・新潮社

実話かもしれない・・そんな気がする6つの奇談

男女問わず人気。

図書館の奥の方の棚にあっても、いつの間にか借りられてる人気本です。

ゾクゾク系の怪談をお求めの人に。

6つの話が入っているのですが、これはフィクションなのか何なのか・・

すごく現実っぽくてルポを読んでいるようなのです。

そもそも第一話の語り手は作者本人(芦沢央さん)で、第二話は知り合いのフリーライターから聞いた話、第三話は最初の話で連絡をとるようになったオカルト本の著者から聞いた話で・・というように作者の周りに自然と集まってきた不思議な話が本になったような印象を受けました。なんとも不気味。

どの話もゾクッと怖いのですが、作者の芦沢央さんがミステリ作家だからか、オカルトだけでなくミステリー的な要素もあって、そこが面白いです。

霊のしわざだと騒いだ後に、やっぱり人為的なものだと謎を解いてほっと一件落着、でもその翌日に人が死ぬ、というような、安心したあとにまた突き落とされる感じ。

嫌いじゃない人は試してみてください。

この本が気に入ったら『変な家』(雨穴著/飛鳥新社)もおすすめです。

 

本本本

芦沢央著/新潮社

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「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」

「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」汐見夏樹・スターツ出版

タイトルがもう泣ける

タイトルがとっても印象的です。

読み終わってからも、このタイトルを見るとじーんとします。

『夜更けに会いたくなる人は、体で恋うるだけのただの欲望の対象。夜明けに会いたくなる人は、心で愛している永遠の恋人よ』

主人公の茜が読んでいた小説の中で、女性が言ったこの言葉。

みんなにも意味がわかりますか?

夜明けに会いたくなる人は、一緒に朝焼けを見たいと思う人は、自分が心から愛する人。

つまり「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」とは・・そういうことなんです!

 

2人の気持ちがすれ違ってしまっても

 2人だけにわかるこの言葉が2人を繋ぎ留めます。

 

思ったことが口に出せずマスク依存症になってしまった茜と銀髪で自由奔放な青磁。

2人が一緒に夕暮れや朝焼けを見に行くシーンの色の表現が素敵です。

高校生の素敵な恋に癒されましたうれし泣きハート

 

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「15歳のテロリスト」

「15歳のテロリスト」松村涼哉・KADOKAWAメディアワークス文庫

彼の本当の目的とは!?

大どんでん返しの少年法をめぐるミステリー!

男子生徒がよく借りています。

落とした財布を探すのを手伝ったことで知り合った中学生のアズサと高校生の篤人。

学校に友達がいないアズサは次第に彼と仲良くなるのですが、篤人にはアズサに近づいた裏の目的があったのです衝撃・ガーン

のちに新宿駅爆破テロという、大事件に関わっていく15歳の篤人の本当の目的とは・・?!

 

なぜ15歳なのに、テロリストなのか。(若すぎ・・)

彼はなぜ爆破テロをするのか。

彼の辛い過去、恨んでいる過去の犯罪、、

色々なヒントが出されるけれど、その動機がつかめそうでつかめない。

彼は結局、いい人なのか?悪い人なのか?

読み進めていくうちに、篤人のアズサに対する思いやりが見えてきてこれまた感動。

見え隠れする黒幕、、果たして真相は・・!

最後まで読めば、名探偵コナンの映画を観たあとのような興奮が味わえます。

 

 

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「余命10年」

「余命10年」小坂流加著/文芸社

これが「まつり」の書いていた小説!

生徒のリクエストで図書館に入った本です。

小松菜奈さんと坂口健太郎さん主演でこの春、映画化されました。

映画化される前から図書館でよく借りられていたのですが、

作者の方は、すでに若くして病気で亡くなられているそうですね。

司書はイマイチ表紙が好きではなくて、なかなか読まずにいたのですが

読み始めるとイッキに読破してしまいました。

主人公が抱える色々な感情が全て嘘じゃない感じがするからでしょうか。

例えば、友達が悪気なく「余命がなくても恋しなきゃだめだよ」「病気を持ってる知り合いの男の子を紹介するよ、2人なら分かり合えるでしょ。」と言ってきて、主人公が激怒する場面があり、とても印象に残りました。

映画とは全然違って、お茶の家元だとか、アニメやコスプレだとかがでてきて、暗くなりすぎず読み進められます。

 

本本本

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「闇祓(やみはら)」

「闇祓」辻村深月・KADOKAWA

心の闇をふりまいていく「あいつら」をやっつけろ!

白黒で描かれた学ラン姿の高校生が何とも不気味。

「おもしろかった」と本を返しに来てくれた生徒にどんな話だったか聞いてみると「だんだん誰がおかしいのかわからなくなります」とのこと。読んでみると、その意味がよくわかりました。

この人絶対おかしい、感覚が狂ってる!と思っていたのに、実はちがう。

親切な人だと思っていたのが、実はちがう。

闇をふりまいて他の人の正常な感覚を奪い、おかしくしている人がいる。それが誰なのか突き止めていくのも面白い小説です。

最初はこういう人、身近にいるかも・・と思う程度の違和感ですが、周りの人はどんどんと取り返しのつかない精神状態に追い込まれていきます。ほんのちょっとの違和感にひそむ闇は、ただ事ではないのかもしれません。

 

 

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「容疑者xの献身」

 

「容疑者Xの献身」東野圭吾・文藝春秋(直木賞受賞作)

面白いミステリーならダントツでこの本!by司書

ミステリーが大好きで、よく図書館で本を借りていく生徒が「これ面白いですよ。」と教えてくれたのがこの本。福山雅治さん主演で映画化されて大ヒットしたので、映画を観た人もいますよね。

このミステリーはひとことで言えば、「天才同士の頭脳戦」!

数学の天才である石神(今は高校の数学教師)が作り上げた殺人事件の真相を、刑事と天才物理学者(映画では福山雅治)が協力して暴こうとするのですが、その天才同士の頭脳戦が見どころなのです。

 小説で読むと、石神が刑事の聞き込みに対して、先の先まで想定し、あらゆるアクシデントに備え、最良と思われる会話をしていく様子がとても緊張感のある文体で描かれています衝撃・ガーン

この天才の頭の中の高速計算を映画ではどんな風に表現していたのかしら?ともう一度映画も観たくなりました。数ある東野圭吾作品の中でも大傑作であること間違いなしです。

 

東野圭吾著/文藝春秋(直木賞受賞作王冠

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「100万回生きたきみ」

「100万回生きたきみ」七月隆文著 KADOKAWA

 

「安土美桜は、100万回生きている。」という文章から始まるこの小説。今は17歳の高校生として生きている美桜は、記憶はそのままに永遠に生まれ変わり続けるという呪いにかかっているのです。

呪いのはじまりは魔物や女神や竜が実在したケルトの時代。女神は英雄に聖剣を授ける代わりに、自分以外の女を愛してはいけないという誓いをたてさせるのですが、英雄がこの呪いを破ったことから永遠に繰り返す命の呪いが始まります。

終わりのない命に心が枯れ果て、何に対しても無関心な美桜。しかしなぜか同級生の光太に強烈に惹かれていくのです。恋人になった2人、そこには何千年も前から続く遥かな恋の運命が隠されていたのでした。

さわやかな表紙からは想像もできないほど、太古のロマンを感じる小説でした。ケルト・英雄・竜・吟遊詩人、そんなワードにぐっとくる高校生におすすめの恋愛小説です。

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「大正浪漫 YOASOBI『大正浪漫』原作小説」


「大正浪漫」NATSUMI・双葉社

大正時代と現代 

異なる時代を生きる2人の

時空を超えたラブストーリー

小説を音楽にするユニットYOASOBIの曲『大正浪漫』の元ネタ小説です。YouTubeにアップされている『大正浪漫』の曲のPVを見ると、小説の世界観が歌詞とアニメ-ションで表現されていて、想像をかきたてるような物語のキーワードもたくさん歌われているので、原作を読んでみたくなること間違いなし。

中学生の時翔(ときと)が家に帰ると、自分の机の上に覚えのない紙きれが置かれていた。そこに書かれていたのは「百年後」という文字と、昔の人が考えた100年後の予想リストみたいなもの。「勝手にお洋服を洗ってくれる機械ができている」「お風呂も勝手に沸いてほしい」・・それは大正時代を生きているという千代子から届いたものだった。時空を超えた文通をするうちに、惹かれあっていく千代子と時翔。しかし時翔は100年前の大正時代でこれから大変なことが起きることに気付く・・

 

 

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『私達は、月が綺麗だねと囁き合うことさえできない』

『私達は、月が綺麗だねと囁き合うことさえできない』神田澪著/大和書房出版

 顔に大きな痣があり、クラスで孤立している高校生のナツナ。ある日彼女のスマホに知らないアドレスからメッセージが届く…『君の友人になりたい』。怪しく思いつつも返信すると必ず2日おきに届く彼からの返事。何気ないやりとりをするうちにいつしかメールの相手はナツナにとってかけがえのない存在になっていく。

この小説は1ページがとても少ない文字数(140文字)で書かれているのにもかかわらず、近未来を描いたようなスケール感が味わえる作品でした。長い文章を読むのが苦手な人にもおすすめです。

 

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