校長室花暦⑧
厳しい残暑というより猛暑が続いています。暑さに負けず、華道部さんの2学期の活動も本格化。一服の清涼剤のような素敵な作品が届きました。
(今回の花材)
キク(写真「黄色の花」)
以前の花暦で触れました。旧暦9月9日は重陽の節句で邪気払いに菊の花を飾ります。まさに今の季節を象徴する花です。
ユキヤナギ(写真「赤の葉」)
ソメイヨシノの開花が終わるころに雪が降り積もったように小さな白い花を枝いっぱいに咲かせます。枝垂れるように枝一面に咲く花の姿の様子がシダレヤナギに似ていることから、ユキヤナギと名付けられました。今回は花ではなく赤く色づき始めた葉が、季節の移ろいを感じさせます。
リンドウ(写真「紫の花」)
漢名は「龍膽(りゅうたん)」で、その由来には苦さを強調して龍の膽(=肝)としたとする説や、葉がイヌホオズキ(龍葵)に似て、根が膽(きも=肝)のように苦いことによるとする説等がある。リンドウという名はこの音読み。センブリと同様、苦みのある根を漢方では胃腸薬として使うことでも知られる。また、青紫の花が美しく、古今和歌集にも登場するほど古くから親しまれている、夏の終わりから秋にかけての代表的な花です。
古今和歌集 巻第十「物名」 紀友則
わがやどの はなふみしだく とりうたむ のはなければや ここにしもくる
(我が家の庭の花を踏み荒らす鳥を懲らしめよう。野に花がないからここにやって来るのだろうか。)
歌中の「とりうたむ のはななけれや」の中に「りうたむのはな(リンドウの花)」が詠み込まれてます。
今回の花材はまさに「夏から秋」を感じさせてくれるものです。まだまだ暑いとはいえ、台風後の朝の風に夏の終わりも見えてきたかなと思う瞬間もあります。日本ならではの季節の変わり目と言ったところでしょうか。