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校長室花暦⑥

 6月半ばにして真夏のような暑さが続く中、華道部さんから一服の清涼剤のような作品が届きました。

(今回の花材)

 ケイトウ(写真「ピンクの花」)とツツジ(写真「緑の枝」)は、以前の花暦で触れました。振り返ってお読みいただけるとうれしいです。

 ミヤコワスレ(写真「白い花」)

 ミヤコワスレ(都忘れ)は、悲しい伝説を由来とした「哀愁」の花言葉で有名なキク科の多年草です。本種ミヤマヨメナ(深山嫁菜 )は、日本の本州などの野山に生息し純白の花を開花させます。愛らしいピンクの花は浜乙女や桃山という種類として知られています。紫色の江戸紫や白色の瀬戸の花嫁などの品種があり、薄青紫や赤の花を咲かせる種類もあります。ミヤコワスレの和名の由来は、鎌倉時代の順徳天皇の伝説まで遡ります。順徳天皇は鎌倉時代の第84代天皇で、鎌倉幕府打倒のため父である後鳥羽上皇と共に承久の乱を発起し大敗して佐渡に流刑され生涯を終えました。順徳天皇は、都の御所でも天皇家を象徴する白い小菊を愛でていたと伝承されています。都を偲ぶ順徳天皇は、佐渡に咲いていた可愛らしい花を眺め、都への思いを忘れようと和歌を詠んだという伝説があります。ミヤコワスレの和名は、その伝説から名付けられたとされています。

 そしてなんと、ミヤコワスレは私の妻の誕生花でもあります。夫婦そろって誕生花を送っていただけるとは…。本当に感激です。