【学校生活の様子】

11月朝礼

11月1日 全校集会 

 

皆さん、おはようございます。

 

今日は、2学期後半のスタートに際し、「聞く力」について話をしたいと思います。

皆さんは、高橋尚子さんという、かつて、日本の女子陸上選手として活躍された方をご存知でしょうか。

 

高橋さんは、皆さんが生まれたころに活躍した女子マラソンの選手で、2000年に行われたシドニーオリンピックで日本人の女子陸上競技選手として初めて金メダルを獲得した選手です。現役を引退した現在でも、「Qちゃん」というニックネームで親しまれ、スポーツキャスターなどとして活躍されていますので、皆さんもテレビできっと見かけたことがあると思います。

 

さて、高橋さんは、金メダルという素晴らしい成績を残しましたが、決して最初から超一流の素晴らしい選手であったわけではありませんでした。

それどころか、選手になりたての頃は、全く良い成績が出ず、鳴かず飛ばずの平凡な選手だったそうです。しかし、小出義雄監督という指導者との出会いが彼女の陸上人生を大きく変えることになりました。

 

当時を振り返り、小出監督はこんなことを言っています。

「自分のもとには、毎年、全国から優秀な選手が集まってくるが、伸びる奴もいれば、途中で挫折していくやつもいる。この差は何かと考えたとき、それは、指導者の言葉を素直に聞き入れられる選手かどうかということである。

 

本来、人間はみんな自分が正しいと思っている。特にスポーツ選手は我が強いし、若くして優秀な成績を出してきた選手ならなおさらだ。自分なりの価値観や人生観だけを信じ、欲も出てきて、謙虚さを失ってしまう者もいる。

そうなった時に、自分のやり方、考え方だけを頑なに信じ、指導者のアドバイスを素直に聞かず、反発したり、愚痴や悪口ばかり言っていることが多い選手は絶対に伸びない。

しかし、高橋尚子という選手は本当に素直な性格の持ち主で、『聞く耳』を持っている。だから強くなれた。」と。

 

高橋さんは、どのような状況でも、小出監督が話を始めると、監督の方を向いて真剣な表情で耳を傾けていたそうです。

こうした姿勢は、初めて日本最高記録を樹立してからも、その記録をアジア大会で更新してからも、変わることはありませんでした。

謙虚さを失うことなく、人の話をしっかりと聞きながら練習に取り組んでいたからこそ、オリンピックでの金メダルの獲得につながったと言ってもいいのではないでしょうか。

 

こうした人の話をしっかりと聞くことができるかどうかは、別に陸上だけの特別な話ではありません。私達の実生活にも当然通じるものです。

人間は感情の動物だと言われています。どんな状況でも、感情に左右されてしまう弱さを持っています。

皆さんも、親や先生の話を「あーうるさい。」の一言で、感情的に片づけて、アドバイスそのものを受け入れないということはないでしょうか。今、この場でも「校長の話、別に関係ないし。」と、はなから聞こうとしない気持ちになってしまっている人がいるかもしれません。

実際に、私自身も 感情に負けて、人の話を素直に聞き入れない時も正直ありました。

 

しかし、自分の心の中で、人の話を受け付けようとしない、心の壁を作ってしまったら、その時点で、自らの成長を止めてしまうことに、ぜひ気付いてほしいと思います。

 

確かに、人から聞く話というのは、すべてがすべて自分の役に立つとは、私も思いません。しかし、どんな人の話でも、聞いていく中で、一つや二つは、自分を成長させるためのヒントとなるものが必ずあります。

 

これからの高校生活、あるいは人生といってもいい、授業、部活動、学校行事や皆さんの私生活など様々な場面で、先生や、保護者、周りの友人、あるいは新たな出会いを通じて、いろいろな話を聞く機会や、アドバイスを受けることが多々あると思います。

そんな時、どんな人の話からでも、たった一つでもいい、何かを吸収しようという、積極的に聞く力を育てていってほしい、そして、少しでも皆さんが自分自身を成長させてほしいと思います。 

 

2学期後半、文化祭等で見せてくれた八潮南魂をさらに輝かせ、本校を盛り上げてくれることを大いに期待しています。