1学期終業式(放送による)

 みなさん、こんにちは。雨ばかり続き、天候不順が続いていますが、健康は維持できていますか?

 令和2年度第1学期が本日で終了します。令和2年度は4月8日に入学式を行った後、臨時休業に入りました。その後、登校日や面談日をはさんで6月1日から段階的に学校を再開し、分散登校を経て6月22日から通常通りの学校生活が始まりました。本当につらい道のりでしたが、こうして本校の1学期の終業式を迎えられたことを大変うれしく思います。

 さて、本日の校長講話の資料として、新聞記事とPTA広報誌「いちょう」を担任の先生などから事前に配布していただきました。準備はできていますか。本日は2つの話をします。

  1つ目は、本校の校歌についてです。2~3年生には1月8日の令和元年度3学期始業式の校長講話でお話をしました。その時、私は、本校の校歌は、「オリンピックマーチ」(1964年)、大阪タイガースの歌「六甲おろし」(1936年)、巨人軍の(第3代の)歌「闘魂こめて」(1963年)、夏の高校野球選手権大会歌「栄冠は君に輝く」(1948年)などの曲を手掛けた昭和の大作曲家 古関裕而(こせきゆうじ)さんが作曲したという話をしました。覚えていますか? 古関さんは、現在のNHK連続テレビドラマ小説、いわゆる朝ドラ「エール」の主人公として取り上げられています。私は校長講話で、「どのような縁で、大作曲家の古関先生が本校の校歌を作曲してくださったのか、その経緯については把握していません。」と話しましたが、私の校長講話に興味を持ってくださった読売新聞の記者が各方面を取材し、その由来を解き明かし、記事にしてくださいました。それが本日の資料の1ページ目です。

  カギを握っているのは、本校校歌を作詞した清水義潔(しみずぎけつ)さんです。この方は八潮市内の小中学校(八条小学校、八潮中学校、八幡中学校など)に勤務し、現在の八潮市立大曽根小学校で校長を務めた後、普門寺というお寺の住職を務めたそうですが、清水さんは若い頃に古関裕而さん(4歳ほど年上だったそうですが)にピアノを習っており、その縁で本校校歌の作曲をお願いしたそうです。

 清水さんが住職を務めた普門寺というお寺は、現在、本校グラウンドに道路一本隔てて隣接しています。皆さんも体育などでグラウンドに出た際に、この大きなお寺を目にしていると思います。私は昨日の午前中、このお寺に伺い、新聞記事に出ている、本校校歌が完成した際に、作曲者の古関さんから作詞者の清水さんに贈られた譜面と手紙を拝見してきました。学校に戻る際、正門付近で野球部の諸君にも会いましたよね。この後、譜面をホームページにも掲載しておきますので、興味ある人はぜひ見てください。

  古関さんの手紙には、校歌の作曲が遅くなってしまったことのお詫びや歌詞が長くて少し曲を作りづらかったことなどが書かれています。そして、最後に「生徒諸君にもよろしくお伝えください」と結ばれています。ですから本校の校歌は、本当に、古関裕而さんから君たちへの応援歌(エール)なのですね。

 現在は新型コロナウイルスの飛沫感染防止のため、しばらく校歌は歌っておりません。校歌斉唱ができないのは残念ですが、資料にはQRコードをつけておきましたので、特に1年生は動画を見てくださいね。ウイルスが終息し、生徒諸君が安心して大きな声で校歌が歌える日が戻ってくることを心から楽しみにしております。

  次に、PTA広報誌「いちょう」第119号を出してください。ページをめくってください。八潮南高校の職員、先生方だけでなく、事務室の皆さんも出ております。この1学期、本校職員一同で皆さんを見守ってきましたし、今後も応援していきます。特に3年生はこれから進路活動が本格化していきます。これだけ多くの職員が君たちにエールを送っています。最後まであきらめず、頑張り抜いてくださいね。

 最後に、新型コロナウイルスは衰えを見せるどころか、勢いを増してきました。また、いつ臨時休業に入ってしまうかも分かりません。今、ここで仲間とともに学校で学べることの尊さをかみしめながら、感染拡大防止に努め、今この時を大切にしてほしいと思います。

 

古関先生の譜面  普門寺