生徒が読んでいる本を司書も読んでみた!

2022年2月の記事一覧

「闇祓(やみはら)」

「闇祓」辻村深月・KADOKAWA

心の闇をふりまいていく「あいつら」をやっつけろ!

白黒で描かれた学ラン姿の高校生が何とも不気味。

「おもしろかった」と本を返しに来てくれた生徒にどんな話だったか聞いてみると「だんだん誰がおかしいのかわからなくなります」とのこと。読んでみると、その意味がよくわかりました。

この人絶対おかしい、感覚が狂ってる!と思っていたのに、実はちがう。

親切な人だと思っていたのが、実はちがう。

闇をふりまいて他の人の正常な感覚を奪い、おかしくしている人がいる。それが誰なのか突き止めていくのも面白い小説です。

最初はこういう人、身近にいるかも・・と思う程度の違和感ですが、周りの人はどんどんと取り返しのつかない精神状態に追い込まれていきます。ほんのちょっとの違和感にひそむ闇は、ただ事ではないのかもしれません。

 

 

人気本一覧へ

 

「容疑者xの献身」

 

「容疑者Xの献身」東野圭吾・文藝春秋(直木賞受賞作)

面白いミステリーならダントツでこの本!by司書

ミステリーが大好きで、よく図書館で本を借りていく生徒が「これ面白いですよ。」と教えてくれたのがこの本。福山雅治さん主演で映画化されて大ヒットしたので、映画を観た人もいますよね。

このミステリーはひとことで言えば、「天才同士の頭脳戦」!

数学の天才である石神(今は高校の数学教師)が作り上げた殺人事件の真相を、刑事と天才物理学者(映画では福山雅治)が協力して暴こうとするのですが、その天才同士の頭脳戦が見どころなのです。

 小説で読むと、石神が刑事の聞き込みに対して、先の先まで想定し、あらゆるアクシデントに備え、最良と思われる会話をしていく様子がとても緊張感のある文体で描かれています衝撃・ガーン

この天才の頭の中の高速計算を映画ではどんな風に表現していたのかしら?ともう一度映画も観たくなりました。数ある東野圭吾作品の中でも大傑作であること間違いなしです。

 

東野圭吾著/文藝春秋(直木賞受賞作王冠

人気本一覧へ