生徒が読んでいる本を司書も読んでみた!

2022年3月の記事一覧

「火のないところに煙は」

「火のないところに煙は」芦沢央・新潮社

実話かもしれない・・そんな気がする6つの奇談

男女問わず人気。

図書館の奥の方の棚にあっても、いつの間にか借りられてる人気本です。

ゾクゾク系の怪談をお求めの人に。

6つの話が入っているのですが、これはフィクションなのか何なのか・・

すごく現実っぽくてルポを読んでいるようなのです。

そもそも第一話の語り手は作者本人(芦沢央さん)で、第二話は知り合いのフリーライターから聞いた話、第三話は最初の話で連絡をとるようになったオカルト本の著者から聞いた話で・・というように作者の周りに自然と集まってきた不思議な話が本になったような印象を受けました。なんとも不気味。

どの話もゾクッと怖いのですが、作者の芦沢央さんがミステリ作家だからか、オカルトだけでなくミステリー的な要素もあって、そこが面白いです。

霊のしわざだと騒いだ後に、やっぱり人為的なものだと謎を解いてほっと一件落着、でもその翌日に人が死ぬ、というような、安心したあとにまた突き落とされる感じ。

嫌いじゃない人は試してみてください。

この本が気に入ったら『変な家』(雨穴著/飛鳥新社)もおすすめです。

 

本本本

芦沢央著/新潮社

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